読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

中島健人の「Forever L」

中島健人というアイドルがよく分からないでいた。いや今も分かっていないかもしれない。

 

なのに。なぜ。

 

別に担降りの話をしたい訳じゃない。

 

今年のある冬の日。少年倶楽部で、中島健人は「Hey!!Summer Honey」を歌った。本当の意味で見つけられた、見つけてくれた、と思った。Jr.を引き連れ、嬉しそうに楽しげに軽やかに舞いながら、ステージに出ていく瞬間、あまりに美しく可憐な蝶々が撒き散らす鱗粉に少し混ざっていたのかもしれない、毒が。

 

アイドルという作り物に現実という劇薬を一滴垂らすことで、侵食されていく虚像の世界が、たまらなく好きだ。KAT-TUNはその筆頭かもしれない。現実に地続きのモラトリアムであり続ける嵐だから、はまったのだろう。リアルこそ最大のフィクションなのだから。

 

でも中島健人にはリアルがない。というか私の想像範囲内の日常というリアルがないのだ。虚像を作ってそれを体現するアイドルはたくさんいるけれど、虚像とリアルが一体化するアイドルを、私は中島健人しか知らない。

 

小クラで鱗粉に触れてから指折り待ち望んでいたのがこれ。

 

f:id:hirokororin:20170204004051j:image

 

花=ファン、蝶=中島健人、というアイドルプレイの花札のようなコンセプト。「#Honey♥Butterfly」(白黒のハートが変換できなかったのでやむなく)というタグ付けされた、蜜と蝶の形をした愛を世界に届けたい、という意味。完璧。

 

蝶々のイヤーカフをグッズとすることも(ファンも健人も同じものを身につけるなんて!!)センス抜群。イヤーカフを身につけた健人は、ちゃんと男の子に見える(過多に可愛すぎない)のに、これがまた似合うのね蝶々が。アイドルの所作が身に付いてるから、癖が見え隠れするような(むしろ全然リアル見えないんで仕方ないよほんと想像しちゃうのは)偏ったソロ曲でも、一切ぶれないアイドル像が。

 

最後の曲が「Forever L」。

 

それまで蝶々と花として楽しくキャッキャしてたのに、真剣に真面目に伝えたいことが伝わるように、強い眼差しで決意に満ちた表情で、歌いだすこの曲。

 

曲紹介前に健人はこう言った。

 

「今は、俺と、ハニーの、世界です。」

「俺と、そしてハニーと、この愛が、永遠に続くように。その奇跡を、永遠に起こせるように。」

 

誰も茶化すような合いの手を入れなかった。

なぜなら、中島健人は嘘偽りなくこの想いをこの言葉で伝えた、伝えたかったということが、画面を通してですら、痛いほど分かるからだ。

 

瞬間は永遠であるという一つの真理を、彼は身をもって証明しているのだ。

 

虚像なんてものじゃない、真理しかないのだ、彼には。

 

そしてアカペラで歌いだすのは、作詞中島健人のこの曲の歌詞のある部分。

 

『愛してるよ  離さない君とForever LOVE  涙抱きしめいこう  変われるよ  君となら  ピリオドの無い  愛を掴んでいこう 』

 

中島健人は、心から‘’愛‘’を示している。決して陳腐なんかじゃない、崇高な‘’愛‘’を。

 

それなりに大人になってからでないと分からなかった、彼の清さが。

 

汚いもの、醜いもの、社会の中の囚われ、そしてありとあらゆる時間軸から解放された時に最後残るのは、そうパンドラの箱の底にある希望。

 

恋に似た、でも恋よりも深い精神世界。中島健人のアイドルとは、そういうものを見せてくれる。

 

『終わりのない世界へと  君を連れていくよ』